The Beautiful Silence

February 11, 2022

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猫が好きだ。
街で遭遇でもしようものなら、人の目はばからず地面にしゃがみ込み、猫撫で声を発してニャーニャーと話しかけてしまう。
猫好きな作家も惹かれる人が多い。ウイリアムバロウズ、中島らも、武田百合子、町田康に近藤聡乃などなど。森山大道は犬っぽいかな。でもアラーキーは猫だ(愛しのチロ!)。

実家には2匹の猫がいる。元々3匹いたが2年前に黒猫が1匹亡くなってしまった。
もう10年以上前にその親猫は彼らを産んで少しした頃におそらく車に轢かれて亡くなった。
なぜおそらくかというと、家族誰1人として亡骸を見ていないからだ。
元々野良猫だった彼女は毎日一定の時間を外で過ごす習慣があった。たまたま家族がそれぞれ外出している時に近所で事故に遭い、それを目撃した人が野良猫と間違えて管理事務所に連絡して、おそらく焼却炉かなんかで処分されてしまった。

彼女は僕が知る限り、最も穏やかで優しい猫だった。
今思い出してもやりきれない気持ちになるし、この世は不条理に満ちていると思い知らされる。

そのこともあって、彼女の子供たちは一切外に出さず、家猫として育てることにした。
そんな彼らももう15歳くらいになる。その甲斐もあって長生きをしている。でもその選択が本当に正しかったのかはもちろんわからない。

花火のように瞬間的に燃えて散るような生き方を、もしかしたら彼らの本能は望んでいたのかもしれない。

それはわからないが個人的な思いだけをいうと、できる限り長く生きてほしいと思う。
帰省して玄関を開く度に、ゴロゴロと喉を鳴らしていつまでも出迎えてほしいと強く思う。

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