Gravity&Radiance

May 14, 2022

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GWの前半、家族から時間をもらって1人で地元に帰省した。
家族を連れては毎年1度帰っているが1人で帰省するのはかれこれ10年振りくらいだろうか。

以前書いたように北九州の街は年々寂しくなっている。
いや、実際はそんなことはないのかもしれない。

実家の前のスペースワールド跡地にでっかいアウトレットが建てられたりしてることを考えると街のテコ入れは常に行われてるのかもしれないが、しかし「そういうことじゃないんだよなぁ…」と果てしなく広い駐車場に吸い込まれていく車の大群をベランダから眺めながら悶々とする。

馴染みだった店や人は帰省するたびに無くなっていき今では数えるほどしか残っていないが、それだけに生き残っている場所はずっと変わらずに、淡々と孤高の存在で在り続けている。

本来歴史の長いこの街に根付いている文化はとても深い。
それは同じ県内にある天神や博多という都市と比べても異質なものだ。

ルースターズ、藤原新也、青山真治、リリーフランキー、松尾スズキなど出身著名人の面子を見るだけでもその特異さは伝わってくるが、私の周りにいる知り合いも例外ではなく共通するものを感じるのは気のせいではない。

どこか鬱いを感じさせながらも潔い空気感が心地いい。
私は敬意を込めてこの街を日本のマンチェスターと呼んだりしている。

この孤高の佇まいを、つまらない某モールの進撃なんかで絶やしてほしくない。

上の写真は小倉にあるGALLERY SOAPという場所で行われていた「重力の光:北九州篇」の展示の模様で、この映画は北九州のキリスト教会に集う人々を撮ったドキュメンタリー。映画監督の石原海さんは東京出身の今注目されている新進気鋭のアーティストで、縁あって北九州に引っ越したそう。

この街にはなにか目には決して見えない、創造の源のようなものがあちこちに潜んでいる気がしなくもない。

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