Nonfiction

April 12, 2022

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先日久しぶりにウェディング撮影の依頼を受けた。

誤解を恐れずにいうと、結婚式に参加するのはどちらかといえば苦手だ。過剰な演出、それによって引き起こされる人工的な感動のおしつけがましさが、どうしても好きになれない。
そしてブライダルフォトに関しても同じように馴染むことができない。型にはめていく不自然なポーズの強要、妙に高いテンション。

生産者の都合でビジネスとして成り立たせる、大量生産するために作られたルールと、それを疑うことなく受け入れる消費者。これはもちろんブライダルの世界だけの話じゃなくあらゆる業界においてだと思うし、そうやってお金は世の中を回っていることはわかっている。わかっているが、やはりどうしてもその仕組みに違和感を覚えてしまう。

本当の感動には未知の驚きが必要だと僕は考えている。
それはルールに乗っかっている以上は生み出すことはできない。そして当然ながら非効率なものだから大量生産はできない。

これは写真を本職としていない身だから言える戯れ言で、それが本職にしない大きな理由の1つだ。

僕に依頼をしてくれる方達は、幸運なことにいつも核の部分が共鳴していることが多いので、大きな温度差が生まれることなく、純粋に撮影を楽しむことができている。

今回ご依頼いただいた新郎新婦の作り出された式も、嘘や見栄のない、終始純粋で美しい時間が流れていて、とても幸せな仕事をさせていただいた。

仕事として受ける以上はどうしたってお金は絡む。それが悪いこととも思わない。大切なのはバランスだ。

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